バナーをデザインする時に意識すべきこと

[カテゴリ]デザイン

webデザインの仕事をしている方なら、常日頃から多くのバナーを作っていますよね。
私自身も普段さまざまなジャンルのバナー制作を依頼されてデザインしています。

ただ、ひとくちにバナーといっても掲載される媒体によって、いくつかのパターンに分類できます。
そしてその分類ごとにバナーの目的も違ってきます。
だから当然、デザインする際に意識しなければいけないポイントも違ってきます。

経験豊富なwebデザイナーの方なら「そんなのわかっているよ!」って思うでしょうが、実際バナーを制作している時には意外と忘れがちになったりします。

なのでここでは再確認の意味も含めて、バナーを掲載する媒体別に「デザインする上で意識すべきこと」を整理しておこうと思います。

【掲載される媒体別】バナーをデザインする時に意識すべきポイント

掲載される媒体別バナーの分類

  • ①特定のwebサイト内でページを遷移するためのバナー
  • ②ポータルサイトやショッピングモールなどのサイト内に掲載される広告用バナー
  • ③検索結果や閲覧履歴に連動した広告バナー

 

だいたいこの3種類に集約されるのではないでしょうか?
私がいままで制作してきた数多くのバナーも、ほぼこの3つのどれかに分類されます。

ではこの3つのパターンでそれぞれどのように目的が違うのか?
それにともなってバナーをデザインをする際に意識しなければいけないポイントは何なのか?
というところを私なりの視点でまとめてみました。

 

①特定のウェブサイト内でページを遷移するためのバナー

例えば企業のwebサイトのTOPページであれば、そのサイトの核となるページへ遷移するリンクバナーがファーストビューに数枚切り替わって表示されていたり、サイドバーにも他のページヘ遷移するリンクバナーがありますよね。

【参考サイト:キッコーマン】
http://www.kikkoman.co.jp/

Screenshot of www.kikkoman.co.jp

これは、さまざまwebサイトにおいて、サイト内をわかりやすく効率的にみてもらう、つまり回遊性をよくすることが一番の目的です。

その次に、サイト全体をブランディングする目的も担っています。
バナーのデザインによってそのサイトのイメージも変わってくるわけですからね。

リアルの世界で例えるならば、公共施設内のフロア案内やサービスセンターみたいなものに目的としては近いでしょう。

 

このような目的から、デザインする際には

  • リンク先が何のページなのか、わかりやすく認識できるか
  • バナーのサイズや配置などはサイト全体の構造に適しているか
  • サイト全体の雰囲気やテイストにマッチしているか

といったところを意識してデザインする必要があります。

うっかりやってはいけないのが、過度なインパクトで主張させたり、クリックさせることを目的としたデザインにしてしまうことです。

バナーとは言っても広告用バナーではないので、変に出しゃばる必要はないのです。
例外的なケースもありますが、基本的にはTPOに合わないミスマッチなデザインになりますので注意が必要です。

 

②ポータルサイトやショッピングモールなどのサイト内に掲載される広告用バナー

例えばAll Aboutのようなポータルサイトや、楽天市場のようなショッピングモールなどのwebサイト内に掲載される広告用のバナーです。
基本的に有料の広告で、掲載費用はピンきりですが、数十万円~数百万円になるものもあります。
多くの場合、バナーを入稿する際の仕様があり、ファイル容量や記載できる文言などが細かく規定されています。

【参考サイト:All About】
http://allabout.co.jp/

Screenshot of allabout.co.jp

【参考サイト:楽天市場】
http://www.rakuten.co.jp/

Screenshot of www.rakuten.co.jp

このケースのバナーの一番の目的はズバリ「クリック獲得」です。
ユーザーにバナーをクリックしてもらって、リンク先のネットショップやwebサイトに訪問してもらうことです。
そのために高額なバナー広告掲載料を払っているわけです。

リアルの世界で例えるならば、新聞・雑誌などの掲載広告や折込チラシ、ダイレクトメール(DM)といったところでしょう。

 

この「クリック獲得」という目的のために、デザインする際に意識しなければならないのは

  • 情報を絞り込む
  • 「目立つ」「インパクトがある」「気になる」といった、思わずクリックしたくなるデザインの見せ方やキャッチコピーにする
  • 視認性をよくする

といったところです。

まずやることは「情報を絞り込む」ことです。
ついつい「あれも入れたい」「これも書きたい」と思いがちで、クライアントからもこのような要望がよく来ます。
でも広告用バナーがユーザーの目に触れるのは一瞬です。
多くの情報がこまごまと盛り込まれていてもまず目に止まることはありません。

次に、思わずクリックしたくなるポイント(仕掛け)を入れることです。
仕掛けといっても大げさなものではなく、キャッチコピーや画像の見せ方などをひと工夫するだけです。
まぁ、この「ひと工夫」がすごく難しいんですけどね(笑)

そして大事なのが「視認性」です。
サイト内の広告バナーの場合、たくさんのバナーがまとめて掲載されるエリアに表示されるケースが多く、当然ながら他のバナーもクリックしてもらうために主張しています。
なので、視認性がよくないと相対的に目立たず、スルーされてしまいます。

このように、ポータルサイトやショッピングモールなどに掲載される広告用バナーにおいては、かなり「前のめり」なデザインにする意識が必要でしょう。

 

③検索結果や閲覧履歴に連動した広告バナー

最後はユーザーの検索結果や閲覧履歴に対して関連性のある広告が表示されるコンテンツ連動型バナーです。

ご存知の通り、検索キーワードやコンテンツの内容に連動して表示されるので、広告の内容に比較的関心の高いユーザーにアピールできるわけですが、ただそうは言っても基本的には広告を見たいわけではないユーザーが大半なので、積極的にクリックされることはまれです。

一般的に100PVに対して1クリック程度(クリック率約1%)と言われていますので、クリックされることが目的というよりは、表示されたバナー広告に対して関心を持って見てもらう(目に入る)こと自体が一番の目的と考えるべきでしょう。

そして、いかに印象に残るようにするかも大切な目的です。

まぁこのようなポイントをおさえたバナーであれば、結果的にクリックもされやすいわけですがね。

リアルの世界で例えるならば、テレビCMに近い性質です。スポーツや料理、アニメといった番組のジャンルと親和性の高い企業のCMが多く流れますよね。

 

このような目的から、デザインする際には

  • その分野に関心の高いユーザーにとって、心を掴む内容(コピー・イメージ)であるか
  • デザインに個性(オリジナリティ)があるか
  • 自然な印象であるか(広告っぽく感じない)

といったところを意識してデザインする必要があります。

どのポイントもデザインに落とし込むのは簡単ではないものばかりですが、これらを意識するかしないかでは多少なりともデザインが違ってくるはずです。

ちなみにこの中で、「自然な印象であるか(広告っぽく感じない)」という部分については一部例外があり、特に「ダイエット」などのコンプレックス系ジャンルでは、あえてギョッとしてしまうデザインや広告っぽいデザインにするケースもあります。

そのかわりこのケースでは、強烈なキャッチコピーとオリジナリティあふれる表現によって、その分野に関心の高いユーザーの心をしっかりと掴んでいるわけです。

 

まとめ

どうでしたか?
あくまでも私なりの視点で整理してみましたが、こうやってまとめてみると、知識として知っていることは多くても、はたして実際にバナー制作をする時に目的に応じてデザインを作り分けることができているだろうか…
と自分で書いていながら思いました。

ついつい商品やサービスの訴求ポイントさえ伝わればいいと思って制作してしまいがちですが、掲載される媒体ごとの特徴や性質もふまえてデザインすることで、きっとより効果の高いバナーを作ることができるはずです。

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